クンタの軽井沢日記

クンタ闘病記-3-

(2007年8月)


床が低くて乗りやすいぞ

  手術だよ

ボクの手術の日が決まりました。
日曜日の午前中に入院、準備して午後から手術、術後がよければ翌日の月曜日には
お家へ帰れる。
今まで一人でお泊りをしたことのない箱入り息子に、クンママは心配でたまりません。
それと全身麻酔のリスクも気になります。

クンパパはボクが乗り降りしやすいように低床のワゴン車をレンタカーで借りてくれました。
手術当日、病院に着くと生れて初めてのエリザベスカラーを首に巻かれちゃった。
えーい!室内のあっちこっちにカラーを引っ掛けて破壊しながらケージに入ったよ。
手術前には高濃度酸素室に入って手術に耐えられる体調にするそうです。

「クンパパが鎖骨骨折の手術した病院より設備がいいぞ」クンパパは感激していました。
「手術の立会いもできますよ」と先生は言ってくれましたが、とても見ていられないだろうし、
先生の気が散ってもいけないのでとクンパパ&クンママは病院を後にしました。
「クンちゃん無事帰ってきてね」クンママは何をしていても落ち着かない様子でした。
手術開始前と終了後には先生から「これから始めます」「今、無事終了しました」と
お電話がありました。至れり尽くせりです。
ボクの術後の安静を考え、すぐにでも会いに行きたい気持ちを抑えてクンパパ&クンママは
眠れぬ夜を過ごしました。

翌日、クンパパ&クンママは朝食もそこそこに病院に駆けつけました。
一時間待たされ、先生の説明を一時間聞きました。
「去勢手術は大変順調に済みましたよ。手術してよかったです」
「クンタくんのタマタマは片方が睾丸浮腫になってだいぶ腫れていました。見ますか」
先生がガーゼに包まれ、ビニールの袋に入ったクンタのタマタマを見せてくれました。
確かにやや腫れて大きいみたいでした。
これでホルモンの供給源と浮腫が断たれたわけです。ひとまずよかった。
「手術中のビデオも見せましょうか?」「いっいえ、結構です」二人とも怖くて見れません。
でも先生のインフォームドコンセントは懇切丁寧でとてもよく解りました。

いよいよクンタと面会です。
普通のケージの仕切りを取っても、横たわっているクンタには小さく見えました。
「クンタ!おいで!」声をかけても無反応。
二人の顔を見て喜んで飛び出してくるのを想像していたクンパパ&クンママは心配に
なりました。
先生達が3人がかりでケージから出して、ハーネスを付け、身体を抱えて車に乗せました。
車の中でクンママが「クンちゃん!クンちゃん!」呼んでも眼を合わせようとしません。

お家に着いてよろけながらもやっと玄関にはいると、そのまま座り込んでしまいました。
傷口を舐めるといけないからとエリザベスカラーはしたままでしたが、一向に舐める様子は
ありません。
それよりあちらこちらにカラーが引っかかって歩きにくそうですし、お水も飲めません。
「大丈夫だから外してしまえ」クンパパは大胆です。
相変らずクンタの「どうしてボクをこんな目に合わせるのさ」の視線攻撃が絶えません。
どうしたら機嫌が治るのか。ちゃんと歩けるようになるか。食事をちゃんとしてくれるか。
腫瘍が大きくならないか。これからの問題は山積です。

クンママは夜も寝ずにインターネットで体力回復や腫瘍に効くサプリメント、歩行補助器具を
捜しまくっていました。
買っておいた歩行補助ハーネスは退院の時にとても役に立ちました。

 
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