クンタの軽井沢日記


これは一部事実にもとづいた
フィクションです

(2007年2月)


お尻があったかいとよく眠れるよ

チュン君の恩返し(クンタの初夢)

ある日クンママと林の中をお散歩していると一匹の小さなスズメがぼくの背中にとまって言いました。
「この前は危ないところを助けていただいてありがとうございました」
そう、煙突にはいちゃっって焼き鳥になりかかったチュン君でした。
「助けていただいたお礼をいたします。どうか着いて来てください」
チュン君はぼくとクンママの前を飛びながら林の中へずんずん入って行きました。
すると竹やぶがありました。竹やぶがカーテンみたいに左右に開くとそこにはスズメのお宿でした。
長老スズメが出て来て「このあいだはチュンを煙突から助け出していただき、ありがとうございました」
「そのお礼に宝物を差し上げましょう」と言いました。
宝物好きのクンママは「ワー素敵!」と大喜び。
長老スズメは「大きなつづら」と「小さなつづら」の前にぼく達を連れて行くと
「さあ!どちらでも好きな方のつづらを選んでください」と言いました。
ぼくは(そうそう、小さいほうのつづらに宝物が入っているんだよね)と思いましたが、
欲の深いクンママは「そっちそっち、大きいほうのつづらをくださいな」だって。
ぼくは(あっ、そっちには化け物が入っているんだよ)と止めようと思いましたがが、
すでに遅くクンママは大きなつづらを貰ってしまったのでした。
大きなつづらをぼくの背中に乗せて、クンママは意気揚々とお家に帰りました。
お家に帰ると早速、つづらを開けました。
中からは「ろくろっ首」「傘お化け」「一つ目小僧」などお化けが一杯飛び出してきてお家中に
あふれたのでした。
ぼくは怖くて怖くてブルブル。
でもクンママは落ち着きはらって言いました。
「さあ、これから芝居小屋にこのお化けたちを売り払って大儲けよ!!」
スキーから帰ってきたクンパパが言いました。
「だって、クンママは魔女だもの、お化けでひと儲けたくらんだんだな」
かくしてクン家は超リッチになりましたとさ。めでたし。めでたし。
「うーん、むにゃむにゃ、なーんだ夢だったのか」
ぼくの初夢だよ。


 
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