クンタの軽井沢日記


これは一部事実にもとづいた
フィクションです

(2006年11月)


「松ぼっくり」って食べられないんだ


ぼくはシンデレラ?!


「二度捜したんだけど見つからなかったんだよ」
お勝手のドアを開けながらクンパパが言いました。
「クンタ、靴が脱げましたって言わなきゃダメでしょ」ってクンママ。
そう、お散歩の途中でぼくの履いていた靴が無くなっちゃたんだ。
ぼくが後ろ足を引きずって歩くからってクンママがインターネットのお店で買ってくれた
「E-POC」ってやつね。
「しょうがないな、でもまだ前足の分の一足が残っているから大丈夫だよ」
そして右足2つ左足1つの靴を履き回しながら一ヶ月が経ちました。
クンパパもぼくも失くした靴のことはほとんど忘れていたんだ。

「ピンポーン」「こんにちはアンディー&ジェシーママで〜す」
中部小学校のそばでオープンガーデンやアンティークショップをやっているアンジェシママさんでした。
「これってクンタくんのお靴じゃありませんか?」
見るとなんとそれは落として失くしたクンタの「E-POC」ではありませんか。
うちの子供が拾って「なんだろうこれ?」って言っていたんですけど
「そうだクンタくんがこんなの履いてたよね」
「それにこんなでっかい足はクンタくん以外ないよね、ってお届けに来ました」
「ありがとうございます。もう諦めていたんですけど、何処にありましたか?」ってクンパパ。
靴と一緒にバラの花みたいなカワイイ松ぼっくりももらったよ。
ありがとう、アンジェシママさん。

ぼくが落とした靴を拾って訪ねてきてくれるなんてまるでシンデレラのお話みたいだね。
カボチャの馬車やネズミの馬はいないけどね。


 
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