クンタの軽井沢日記


これは一部事実にもとづいた
フィクションです

(2005年5月)


ムーちゃん
「自然倶楽部」さんから提供していただきました。
ありがとうございました


ムーちゃん

いつもの夜のお散歩さ。
今晩はクンパパはあんまりお酒飲んでない。だから足元もしっかりしてるよ。
持ってく懐中電灯は5ワットの強力LEDライトです。白い光が300メートルも届くんだ。
でもボクにはまぶし過ぎ。

お家の門を出て別荘地の林に入って行きます。
フンフン、いろんなワンコたちがお散歩するからいろんな匂いがして面白いな。
よし、ここでオシッコと。
あれっ、クンパパが突然止まったよ。
「クンタ!今なんか鳴き声がしなかった」「キキキッ」って。
「おっ、飛んだぞ!」クンパパもう大コーフン。
カラ松の幹から幹へ白い小さな座布団が音もなく暗闇の林を滑って行きます。
ガサッ、と木に貼りつくと「ジジジッ」ってセミみたいに鳴くんだ。
あれっ、ピュッて落ちてきたのはオシッコか。
クンパパがライトで照らすと眼だけがきらきら光ります。
そうです。ムササビのムーちゃんです。

ムーちゃんとはもう何回か遭遇してますが、今夜みたいにはっきりとその正体を
見たのは初めてでした。
眩しい(たぶん)ライトに照らされてムーちゃんは少しムッとした感じでカラ松の幹を
抱えて登ってゆきました。そしてまた、スーッと滑空。
キラキラした眼が4つだったから二匹いたんだな。

「クンタ見た?見た?」ってクンパパ。
「ゴメン」ボクはお友達のオシッコ伝言読むのが忙しくて見なかったよ。

 
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