クンタの軽井沢日記


これは一部事実にもとづいた
フィクションです

(2004年春)

なんか不気味だ
      五月人形

クンパパは三代目でお姉さん二人の末子の長男。
だからクンパパが生まれた時、お祖父ちゃんはそれはそれは喜んだそーだ。
そして五月の節句に飾る人形は奮発して立派なものになった。
東京の実家のお庭には大きな鯉のぼり、鎧兜も本物の5分の1ぐらいの
重々しげなものだった。
軽井沢に来るまで倉庫に預けてあって、新しいお家に引っ越してからも
荷ほどきしてなかったけど、今年は「鎧兜だけでもだして飾ろうか」ということになった。
「どれがどれやら分からないー」「埃だらけだぞ」「どうやって組み立てるんだ」と
クンパパは大苦戦。「飾る場所が狭いから難しいよー」って悲鳴上げてた。
どうにか形はついたみたい。
兜の金の部分はくすんでいるし、編みこみの朱糸の色もあせていてなんかすごーく本物っぽい。
小人さんの武者が着る鎧兜みたい。
そのうえクンパパはそれに下から照明を当てるものだから
クンママが「動きだしそうで何か気味悪い〜」って怯えてた。
クンパパは小さいとき鎧兜の刀を振りましたり、弓を射たりしておばあちゃんに怒られたってさ。
刀の柄が外れてるし、弓の弦がビヨンビヨンに弛んでるのはそのせいか!
ボクが玄関で寝ていると、鎧兜が睨んでるみたいだよ。


    「ふんっ私なんか次女だからお雛様もないのよ」  byクンママ
    「私もよっ!」  byクンパパのスイスにいる二番目のお姉さん


 
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