クンタの軽井沢日記

これは一部事実にもとづいた
フィクションです


(2003年冬)
カラマツの林、無くなった
    カラマツ林無くなる

ぼくがここに引っ越してきてから2年間で周りにお家がいっぱい建った。
数えただけでも7軒かな。小学校も近いし便利な場所だからね。
お家が建つたびにそこの場所の林がチェーンソーで切られて何もなくなっちゃうんだ。

ぼくのおうちは別荘地の中だけど入口近くにある。
クンパパも今の場所にお家を建てるとき、「カラマツは葉っぱが落ちて屋根を傷めるから
切ったほうがいいですよ」って建築会社の人に言われて泣く泣く10本ぐらい切ったそうだ。
道路沿いのモミノ木も20本ぐらい切ったけどそこにはエレガンテシマっていう木を30本ぐらいと
切ってしまったモミノ木の代わりに大山サクラ、カエデ、カツラ、夏椿、イチイ、コメツガ、
ドウダンツツジなんかをたくさん植えた。
「植木屋の社長さんは大喜びよね」ってクンママ。

「こんどとなりのテニスコートが分譲地になったらまわりにもっと目隠しの常緑樹を植えなきゃな」
って頭を抱えてます。
おとなりは東京の学校のテニスコートだったんだけど都合で売りに出されたんだって。
クンパパは別荘地の住民やオーナーの人たちに「別荘地の環境を守りましょう」って開発に
注目してもらうようにビラを作って配ってた。

                
                      木を切ったら、ハイ、売物件

開発でどんどん林が無くなっていってリスくんやムササビくんも来てくれなくなっちゃうし、
アカゲラ、シジュウカラなんかの鳥さんたちも少なくなる。
そういえば最近、はるか向こうの新幹線の通る音が大きくなったみたい。
防音壁になってた林がなくなっちゃったせいだな、きっと。
それに周り中お家になっちゃうとぼくのオシッコする場所が少なくなって困っちゃう。


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