クンタの軽井沢日記

これは一部事実にもとづいた
フィクションです


(2003年6月)
 
    ゴッドサン

クンパパには二人お姉さんがいる。
下のお姉さんのご主人は有名なフランス人のチェリストでした。
再婚で歳が40才も離れてたけど、とっても仲良しで、演奏旅行は
世界中へいつも二人一緒だったって。
でも今はもう亡くなって、お姉さんは1人でスイスに住んでます。
有名な音楽家の知り合いが多くてロストロ・ポービッチ、
ヤーノシュ・シュターカー、ヨーヨーマなんかも仲良しなんだって。
知ってる?

そのお姉さんのスイスのゴッドサンが日本に遊びに来ることになった。
21歳でハンサムな男の子だって。
それを聞いたクンママはソワソワしてる。
「きれーな若い男の子はいーわよね」「旧軽井沢銀座を連れ歩こー」だって。
クンパパは「英語しゃべれるかなー。もしフランス語だったらどうしよー」
って悩んでた。

軽井沢駅までクンパパが迎えに行っておうちに連れてきました。
色白で優しいお兄さんだった。名前は「バティス・ギー」っていうんだ。

うちではすぐ「バッちゃん」になった。
バッちゃんのお父さんは「スイスロマンド」っていうオーケストラのチェリスト。
でもバッちゃんは音楽家にはならず、スイスで時計の技術者になる学校に入学した。
バッちゃんは何でもよく食べる。「日本食は美味しい、大好きでーす」って。
なんにも食べなかった女子プロテニスのインドの子とは大違い。
クンママも腕によりをかけてお食事作ってた。
クンパパは鬼押し出し、白糸の滝とか、善光寺さんに連れて行ってあげた。
旧軽井沢で天ぷらそば食べて、善光寺ではうなぎを食べたって。

バッちゃんは朝起きてくると「オーッ、クンター」って頭なでてくれるんだ。
英語も話せたよ。クンパパとは英語でお話してた。
バッちゃんのママは1人息子の始めての海外旅行ですごーく心配してるって。
ほとんど毎日お電話がかかって来るんだよ。ちょっと過保護かな。
電話ではフランス語でペラペラ、カッコイイ−!

一ヶ月の日程で軽井沢の次は沖縄に行って、九州から電車に乗ってあっちこっち
見ながら東京に戻るんだって。

クンママがラーメンを食べさせてあげて「もしお金少なくなったら、ラーメンは安いし
どこにでもあるから便利よ」って教えてあげた。
そしたら旅行中、ラーメンばっかり食べてたって。

沖縄でガールフレンドができて東京に帰ってきてからも会ってたらしい。
クンママったら「お姉さまのゴッドサンは私にとっては義理のゴッドサンよ、
変な女の子にひっかからないといいけど」って心配してたぞ。

    (日本が大好きでもっと居たいって騒いでたけど、無事スイスに戻ったってさ byクンパパ)
     (やっぱりひっかかたのね byクンママ)


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