クンタの軽井沢日記
これは一部事実にもとづいた
フィクションです
(2003年の夏) |
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真ん中の青い光がホタルくんだよ
ホタルの光
ぼくはいつも夜ご飯の前にクンパパとお散歩するのだ。
9時か9時半ぐらいかな。ときどきクンパパが酔っ払って
11時ごろになることもある。
七夕さまも過ぎた梅雨の真っ只中、妙に蒸し暑い月の無い夜だ。
「今夜あたりなんか出そうだな」クンパパは緊張している。
出るってぼくのウンチか?
ぼくとクンパパは懐中電灯の灯りを頼りに林の中に入っていった。
いつもの場所にひととおりオシッコ宣言を済ませホッとしていたら、
真っ暗な道上に光るものがスーッと横切った。
ぼくがじっとにらんでいたら、クンパパも気がついた。
「でっ出たー!」でも「きれいだねー」
ホタルさんが3匹、4匹、スーッ、スーッて光の筋を引きながら飛んでいる。
おうちの周りには農業用水路があってそこにホタルさんが住んでいるらしい。
去年近くの大学の先生ご夫妻が水路にカワニナを放してくださったって。
「ここらあたりも住宅が建ってきたからホタルが見られるのも今年限りかな」
クンパパが寂しそう。
ホタルさんが一匹飛んできて、ぼくの背中でひかりました。
ホタルさん がんばってね。
次なのだ
もどるよ
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