お盆だよ
クンタの軽井沢日記
これは一部事実にもとづいた
フィクションです
(またまた2003年夏)
おじいちゃんたち早く来ないかな
8月13日はお盆の始まり。
クンパパとクンママはおじいちゃんやひいおじいちゃん、
ひいおばあちゃんをお迎えするんだ、と言ってお迎え火を焚きました。
お迎え火を焚くと三人が巣鴨のお墓から飛んでくるんだそうです。
クンパパったら「ほうろく」がないからって、
キャンプに使うステンレスの焚き火器を使うんだよ。
「いいの、気持ちがこもっていればなに使おうと
おじいちゃんは許してくれるさ。」だって。
まったくいい性格してるよ。
お仏壇にはたくさんのお花や、お菓子、果物、ビールにお酒が
供えられています。
お盆ちょうちんも飾って、ナスやキュウリに麻幹(おがら)の足を
つけて牛や馬の格好にして飾ってあります。
おじいちゃんたちがナスの牛やキュウリの馬に乗っておうちに
帰ってくるんだって。
どーか、ぼくには乗んないでね。
二階の仏間はお盆の三日間はにぎやかになります。
「ロウソクとお線香が危ないからクンタは入らないで!」って
クンママに言われた。
ぼくはお線香の臭いって好きじゃないから入らないよーだ。
16日の土曜日には送り火を焚いておじいちゃんたちに
また巣鴨のお墓に帰っていただくのです。
土曜日の夜にはクンパパのお友達のボサノバの演奏会がありました。
朝からお友達が来たりでクンパパもクンママも大忙し、
夕方、タクシーを呼んでアタフタと演奏会場に行ってしまいました。
「んっ?、なんか忘れてませんか?」
そうです。送り火を焚くのを忘れてしまったのでした。
なんちゅう人たちだ!
ぼくは玄関でお留守番をしながら憤慨していました。
ウトウトしてたら階段からおじいちゃんが降りてきました。
あれっ、車椅子じゃなくていいの?
おじいちゃんはニコニコしながらぼくの頭をなぜて、
「クンタ、いい仔でお留守番してえらいね」
「もう一泊させてもらうよ」ってやさしく言います。
後ろを見るとひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんもいます。
「はじめまして、ぼくクンタです」
おじいちゃんも、ひいおじいちゃんも、ひいおばあちゃんもやっぱり
クンパパやクンママに送り火で送ってほしいらしいです。
「ヤバイッ、送り火焚くの忘れたー」と叫びながらクンパパとクンママが
帰ってきました。
もう遅いっちゅうの。いま何時だと思ってんですか。夜の10時だよ。
「明日にしよー」って酔っ払いのクンパパは寝てしまった。おいおい?
翌日、送り火が焚かれ、かくしておじいちゃんご一行さまは軽井沢に
一泊延泊していったのでした。
おじいちゃんまた来てねー
(みんなちゃんと巣鴨に帰ったかな?
おじいちゃんとひいじいちゃんは
赤坂に寄っていったかもね byクンパパ)
(血筋よねー クンパパなら六本木ね byクンママ)
次なのだ
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