クンタの軽井沢日記

これは一部事実にもとづいた
フィクションです


(その20)

ジョンくんのママが目撃した
驚きの光景の想像図だよ
  屋根の上のクンタ

まだ2月のなかばだというのに今日はポカポカ暖かい。
ぼくもおうちの中ばかりで少し飽きちゃった。
きのうからクンママのお友だちが子供たちと来て泊まってる。
ちびっこいのは踏み潰しそうで危ないな。

クンパパは朝からお友だち家族と一緒にスキー場に行ちゃった。
つまんない。二階の様子を見にいってみよー。
ドアのレバーをちょいちょいと前足でひっかくとあれっドアが開いたよ。
ゲストルームは本当はぼくは入っちゃいけないんだ。
まっ、いいっか。

おや〜、窓も開いているよ。
窓の下にはちょうどいいテーブルまで置いてある。
どっこいしょっと。
テーブルに乗ってと。
窓から首を出すと気持ちイー。
ひんやりそよ風とポカポカ太陽のハーモニー。

ソロソロッとお屋根に出てみたら、遠くむこうには離山が見える。
寝そっべっちゃおう。
高いところから下界を見下ろすってなんかマウンテンドッグの血が騒ぐなー。
どれひとやすみ、グーグーグー。

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「ピンポーン」「はい、どちらさまですか?」
「あのー、ジョンの母ですが、お宅のクンちゃんがお屋根にいますよ」
「ゲッ!!クンター!!」

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

クンママは真っ青。
驚かして屋根から落っこちでもしたら大変って猫なで声で
「クンちゃ〜ん、こっちへいらっしゃ〜い」「そーっとね、ゆっくりね」
心地よい眠りから覚めたぼくはさっき来た道をゆっくり戻って、窓から
「ハイただいま、クンママ」「気持ちよかったよ」
クンママはもう泣きそうでした。

スキーから帰ってきたクンパパが「なーんだ写真撮っておけば
よかったのに」だって。
「じょ、冗談じゃーないわよ」
「わたしはクンタが落ちやしないかって、心配でそれどころじゃなかったのよ」
クンママはプンプン。
今夜のご飯のお肉、なんか少ないみたい。

       (やっぱり写真撮っておけばよかった・・・  by クンママ)

      
     その21につづく



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