クンタの軽井沢日記

これは一部事実にもとづいた
フィクションです


(その14)

トナカイさんのブランカちゃんだよ
                                
  ブランカちゃんを偲んで

   東京にいたとき一緒のマンションだったブランカちゃんが死んじゃったって。
   きのうお電話があった。
   ブランカちゃんはハンガリー人のパパと日本人のママに可愛がられていたんだ。
   ブランカママがハンガリーで育てて日本に連れてきた。
   ビズラっていう犬種です。
   珍しい犬ですねってクンパパが言ったら、ブランカパパが「ハンガリーでは
   5000円です」だって。
   
   ワイマラナーにちょっと似ているけど、とってもお利巧なんだよ。
   ぼくがまだちっちゃいとき「オネーさーん」と寄ってったら「ガルルゥー」って
   教育的指導を受けちゃった。
   エレベーターで一緒になってもブランカちゃんは知らん振りでじっとしているのさ。
   ぼくはいつもクンパパに「クンタもブランカちゃんみたいに良い仔になりなさい」
   って言われていたんだ。
   外ではいつもとってもお行儀が良くてお利口なブランカちゃんだったけどお部屋
   ではとってもお茶目で可愛かったのです。
   
   おなかに水がたまって、歩くのもやっとになってしまったので獣医さんと相談して
   苦しまないようにしてあげたそうです。
   ブランカママは泣いていました。
   ぼくはよくわからないけど、ぼくが歳をとって動けなくなっても、いつまでもクンパパ
   とクンママのそばにいたいなー。

        
    −その15へつづく−


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