クンタの軽井沢日記

これは一部事実にもとづいた
フィクションです


(その10)
  
  電撃虫パンチでぼくはノックアウト


5月も後半になると軽井沢でも虫クンたちが元気に這いだしてきた。
虫の嫌いなクンパパは「窓も開けられないよなー」と嘆いている。
網戸あるでしょ。
クンパパはその昔、ゴキブリが飛んできたので前の奥さんを盾にして逃げて
離婚されたらしい。
カインズホームへ行ったかと思うと電気で虫を落とす電撃殺虫器を買ってきた。
青い光で虫を集めて3000ボルトの電圧で虫を焼き殺す仕組みだそうだ。
おーこわっ。
「これで今晩から虫はイチコロさ」クンパパはうれしそうに軒下に電撃虫パンチを
取り付けはじめた。
日が暮れて電撃虫パンチに青い光がともると「バチッ!バチッ!」ってすごい音が
しはじめた。
なんか雷さまみたいでぼくは急に怖くなってしまったんだ。
足は震えるし、息は荒くなるし、もーだめっ、思わず洗面台の上に登っちゃったんだ。
しばらくしてクンパパが気がつくとお湯はジャージャー出ているし、前足をお湯の中
に突っ込んでブルブル震えているぼくを見て大笑いさ。
クンママが笑いながら言った「電撃虫パンチって犬もノックアウトするのね」

       
   −その11へつづく−


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