クンタの軽井沢日記 これは一部事実にもとづいた フィクションです (その4) |
借家は狭いぞ!古いぞ!寒いぞ!
3月から軽井沢に引っ越すことになった。
クンパパとクンママは軽井沢で借家を一生懸命探しています。
でも大きな犬が一緒ですというとたいがいの不動産屋さんは困ってしまうのでした。
「クンタが一緒じゃあ無理か」なんて言いだす始末。
何軒かめでやっと犬OKの借家が見つかりました。それもクンパパが買った土地の
すぐそばです。
どれ位そばかというと歩いて100歩、すぐウラでした。
おうちは二階まで入れて30坪くらいかな。当然家具は全部入らない。
そこで貸し倉庫に預けました。
「ふっ古い!!築40年ぐらい経っているかもしれないぞ」
「クンタが歩いて床が抜けないかっ?」
とクンパパは心配顔。
ワーイ!古くたって、マンション犬だったぼくには始めての一戸建てさ!
なんかワクワクするな〜。
東京から荷物が届く日、朝早くに借家に着きました。ぼくは車の後ろでおおはしゃぎ。
吠えまくり、ヨダレ飛ばしまくり、着いてからもおうちの中を嗅ぎまくり。
ついに荷物搬入の邪魔だ!と言われて、大きなケージに入れられてしまいました。
「頭つっかえんだよなー、このケージ」
「なに言ってるのよ!このケージはジャイアントっていってこれより大きいのは
クマのオリよ!」ってクンママに怒られた。
箱に入った荷物や家具がどんどん運ばれます。
さすがプロは手早い。あっという間に小さなおうち中、段ボール箱だらけになった。
運送会社のお兄さんたちはマンションやおじいちゃんのうちの引越しでみんな顔なじみ。
オー、クンタ!って、なんでかまってくれないの?つまんないから吠えてやる!
「うるさい!このご近所迷惑!」でもご近所は一軒だけでした。
荷物も一応収まって夜になった。軽井沢借家初めての夜です。
クンパパ、クンママはまだ荷物の整理してるけど、ぼくは朝からの疲れでウトウト。
ぼくの居場所はやっぱり玄関。涼しい風は入って来るしさ。
あれっ夜中に二人がごそごそしてるぞ。
「寒ーい!お布団重ねても、寒ーい!」「スースー風が入ってくる」「寒くて眠れなーい」
引越し荷物のどこかにあるはずのホットカーペットを探すことになったらしい。
居間の石油ストーブをガンガン焚き、ホットーカーペットを最強にしてやっと二人は
眠りにつきました。
もう三月とはいえ軽井沢の夜の気温は氷点下18℃から20℃だからね。
明け方近くぼくは目が覚めたけどなんかいつもと違う、心細くなってクンパパとクンママの
お布団の間に入っていきました。
「くっ苦しい!金縛りかっ!」
いえ、ぼくがクンパパの掛け布団の上に乗りました。ごめんね。
−その5へつづく−