クンタの軽井沢日記


これは一部事実にもとづいた
フィクションです

(2007年9月)


クンママ 「工事の人たち遅くまで大変ね」
クンタ 「オシッコ、オシッコ」

  台風9号の襲来(その3)

クンパパが夜中に窓から外を見ると庭のコナラの大木、白樺の木が横になるほどの強風です。
雨も横殴りで窓を叩いています。
「不安だから3人で寝ましょ」って居間にお布団敷いてクンパパ&クンママとぼくと懐中電灯の
下で休みました。

7日朝、まだ薄暗い中、クンパパはレインウエアに長靴、ヘルメット姿で「別荘地の中をちょっと
見回ってくるね」と出かけました。外は雨と風は止んで妙に静かです。
「あれれっ、林がなくなってる!!」
クンタ家の裏になる西側には数十本のカラマツ林がありました。
それが全部倒れてしまっているのです。
風が東風でよかった。そうでないとクンタ家の屋根をカラマツの大木が直撃でした。
クンタ家の前のマーティンパパの別荘では幹周りが一抱えもあるドイツトウヒが幹の真ん中から
ぽっきり折れて駐車場を直撃です。車が無くてよかったね。
電線に大木が倒れ掛り電柱は曲がってトランスが落ちそうになっているところもあります。
「切れて垂れている電線に気をつけてと」クンパパがおっかなびっくり倒れた木を避けて歩いて
いくと別荘地の道路は倒木で完全に塞がれていることが分かりました。
太い木の幹、枝を切らない限り車はもちろん人も通れなさそうです。
「チェーンソーで切らないとダメだな」
クンタ家へ取って返そうとしてクンパパはハタッと気がついたのです。
「クンパパのチェーンソーって電動だ!?」なんというオマヌケでしょう。
さらに歩いてゆくと新幹線の近くの分譲地のカラマツ林が頭を西向きにほとんど全部、
根っこを見せて倒れているではありませんか。
「スッスゴイ!まるで爆弾が落ちたみたい」(戦争経験のないクンパパが想像で)悲惨な有様です。
ご近所の方たちも外に出てきていました。
せっかくみんなで「ここのカラマツは切らないで下さい」って販売している不動産屋さんに頼んで
いたのにとガックリ。倒れているカラマツを片付けたらただの原っぱになっちゃうね。

「これじゃあ、電気が来るまで時間がかかりそうだな」予想通り停電は4日間続いたのでした。
「さあさあ、アイスクリームをどっさり召し上がれ!」
いつもは「太るから少しだけよ」と言ってるクンママも大盤振る舞いさ。
でも、冷凍庫の中身は2日目には融けて駄目になちゃった。
冷蔵庫はツルヤから買ってきた氷とドライアイスでなんとかギリギリもたせることができました。
クンパパが子供の頃は氷屋さんが大きな氷から切ってくれた氷を木製の冷蔵庫の上の段に
入れて冷やしてたそうです。
「氷屋さんがノコギリで切っているときに出る氷の切りくず、もらって食べたっけ、
今はなんでも便利になりすぎてるんだな」

4日目の夜遅くになって電気がついたときはご近所の人達と中部電力のおじさんたちに
「ご苦労様!ありがとう!」って拍手をしました。
これでやっと普通の生活に戻れるね。

 
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